東京都民銀行の「老舗のチカラ」とは

東京都民銀行では、平成24年4月に中期経営計画「い・し・ん」を発表しました。その中で、経営戦略の実践のためには自らが考えて行動できる「考動力のある人材」を育成していくことが大事、としています。

考動力のある人とは、例えば決算書の数字だけで融資の判断をするのではなく、自分の足や目を使って直接現場を確認して経営者とも話し合い、その企業が持つ本当の価値や将来性を的確に判断できる「目利き能力」を持った人でもあります。東京都民銀行では、外部講師による「目利き力向上セミナー」を開いて若手行員の集中研修を行ったり、融資審査役が直接指導を行うなど、人材の育成に取り組んでいます。

平成24年6月には、東京を経営基盤とする老舗企業や日本の伝統商品の製造・販売を行っている事業者、独自の高い技術力でものづくりを行っている企業等を対象とした融資商品「老舗のチカラ」を展開しました。このサービスには、運転資金・設備投資などの融資に対する審査に、独自の判断基準を設けています。

時代や環境の変化に対応しながら、現在まで創業以来の伝統や技法を守って事業を継続してきた会社であることや、品質に関する企画開発や技術に対して受賞歴があり高い評価を受けている会社であるなど、決算書の数字だけでは判断できない価値に重点が置かれています。

かつてバブル期には、銀行は十分な審査もしないで不動産担保融資を行い不良債権をたくさん発生させた、という苦い歴史があります。考動力があり目利き能力をもった人材を育成することは、こうした失敗を二度としないためでもあるのです。

老舗の企業や伝統工芸などの業界は、資本力も小さく上場している企業はほんの少しです。高齢化や後継者の問題を抱え、経営的にも厳しい状況にある業者が多数なのが現状です。本来なら融資を懸念される対象ですが、このような地元の老舗企業などを応援することは、地域経済の発展や活性化への貢献ともなります。また同時に融資を扱う行員の「目利き力」を養成することにもつながるのです。